CfdOF on DEXCS2022

DEXCS2021以降、DEXCSランチャーのハック母体とさせていただいているCfdOFであるが、DEXCS2022の作成時点(2022/9月頃)では、まだまだ使い物にならないとして静観していた。そろそろDEXCS2023が視野に入ってきた時点で、改めてCfdOFを調査し直したところ、1年前と比べてかなり進歩したことを確認できたので、ここに記しておく。

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インストールと設定

インストールは簡単であった。

FreeCADを起動、「ツール」メニューから「アドオンマネージャー」を選択すると、アドオン可能なワークベンチの一覧が表示されるので、「Cfd-OF」を選択し「インストール」ボタンを押すだけである。インストールが完了すると、FreeCADを再起動するよう促されるので、これに従う。再起動したら、ワークベンチを切り替えてみる⇒「CfdOF」を選択すると、CfdOFのツールボタンメニューが現れるようになる。

但し、この状態ではツールボタン群を使えるようになったというだけで、メッシュを作成したり、OpenFOAMのソルバーの実行までは出来ない。「編集」⇒「設定」メニューにて、CfdOFの設定画面を開いて、空欄になっている箇所を、補完する必要がある。DEXCS2022の場合は、以下の図のようになれば良い。

中段あたりに、「Install cFmesh」、その下に「Install HISA」のボタンがあって、これらのボタンを押して必要なプログラムを自動でインストールしてくれる。但し、インストールにはそれなりに時間がかかる。インストールが終わると、❺なり、❼のように、「install completed」のメッセージが表示されるので、これを確認してから次の作業に進むことが肝要である。

また、cfMeshについてはDEXCS2022で標準インストールされたものも使えるので、必ずしもインストールする必要は無いが、後述のDemoチュートリアルのうちの一つが、標準インストールではエラーになって使えなかった。このインストールによって使えるようになった。

Demo(チュートリアル)

チュートリアルケースは全部で7つのケースが同梱されており、一部メッシュの品質不良に起因して、計算が発散するケースもあったが、基本的にメッシュ作成から計算実行のプロセスはGUIで制御できていた。

Demoケースは、ホームフォルダ下、.FreeCAD/Mod/CfdOF/Demos フォルダ下に、全部で7つのケース名フォルダがあり、その中にMacroファイルが収納されている。このマクロを実行することで、形状モデルの作成からCfdOFのコンポーネント設定まで全自動実行してくれる。後は自分で、メッシュ作成なり、計算実行のボタンを押せばそのまま動くように作られている。

上記$HOME/.FreeCAD/Mod/CfdOF/Demos フォルダ下でそのまま実行しても良いが、別の場所にこのフォルダ毎コピーして、コピー先のフォルダで作業することが推奨される。

また、マクロが実行されて、FreeCADのモデルとCfdOFコンテナが作成された状態で、マクロの収納されたフォルダ中に、ファイルに名前を付けて保存しておくとともに、コンテナの「プロパティ」⇒「Output Path」を当該フォルダ名に設定しておくことを推奨する。

そうすることで、当該フォルダをファイルマネージャによって監視すれば、CfdOFによるケースファイル作成の仕組みが理解しやすくなると思われる。

注目点

元々DEXCS-WBではCfdOFのメッシュ(cfMesh)作成コンテナとソルバー実行コンテナに特化してハックカスタマイズしたもので、その他の機能は切り捨てていた。ここにきて多くの機能が、それなりに使えるようになってきたという印象があった。以下、簡単に取りまとめておく(工事中)。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
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DEXCSランチャーとの関連・比較など

DEXCSワークベンチが消えた?!

Demoチュートリアルを実行した後で、新たにFreeCADを立ち上げると、このような状態になって、レポートビューにエラーメッセージが表示される。また、ワークベンチが、「Start」ワークベンチとなってしまい、「dexcsOF」に切り替えようにも、メニューの中から消えてしまうはずである。 これは、ある意味DEXCSワークベンチのバグであるが、解決方法は、「マクロ」メニューから、マクロファイルの収納場所として、ホームフォルダ下の.FreeCADフォルダを選択し直した後、FreeCADを再起動すれば良い。

メッシュ作成用モデル

CfdOFとDEXCS-WBでは、メッシュ作成用のFreeCADモデルの作り方に根源的な違いがある。つまり、CfdOFでは一般的なCFDツールで実施するのと同じように閉じた空間モデル用意する必要があるのに対して、DEXCS-WBでは、OpenFOAMのsnappyHexMeshで作成するのと同じで、FreeCADのパーツモデルで、結果的に閉じた空間になっていれば良い。

どうする?DEXCS2023

かなり機能アップしたCfdOFであるが、現行のDEXCS-WBを廃止してこれに代替させるには、機能面でまだ今ひとつ(カバー範囲が狭い)であり、メッシュ作成用のモデル作成というステップが必要になるというやり方にも、簡便性の面で後退感がある。

とりあえずDEXCS2023では、どちらでも使えるようにしておくというのが結論か。

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