OpenFOAM – autoRefineMesh

DEXCS-OpenFOAM-AutoRefineMesh(改)の使い方

はじめに

オープンソースのCFDソフトウェアであるOpenFOAMには、[[Discussion Groups:]]があって、ここに最近、vwtTest(virtual wind tunnenl test : 仮想風洞テスト)というテスト環境が投稿されました([[数年前に立ち上がっていた元記事:http://openfoam.cfd-online.com/forum/messages/1/175.html]]に追記されました)。~
OpenFOAMには、もともとautoRefineMesh という自動メッシュ生成ツールが付属していたのですが、これを改良したことに加えて、風洞の大きさを規定し、試験物体の形状をSTL形式で指定しておけば、makeコマンド1発で、空間を自動メッシュ分割し、非圧縮流れの定常計算を自動実行、結果の可視化ソフトまで立ち上げてくれるというものです。~
そこで早速このプログラムとテストケースを入手して、動作を調べてみたところ。。。

 STLデータさえあれば、1時間もかけないで、物体周りの流れ計算(仮想風洞テスト)が出来る!

ということがわかりました。しかも、

 相当に複雑な形状で、STLに少しくらいの欠陥がってあっても大丈夫

ということもわかりました。特に、後者の点に関しては、インターネット上で様々な3Dデータを容易に入手できるようになった現在、せっかく入手できても、CAEには使えなかったというケースに多々遭遇していただけに、インターネットが一気にお宝の宝庫になった!といってもよいくらいです。
そこで、ここではそれらのツールの入手からインストール。実際にインターネット上からデータを入手して、それを使って解析する手順について説明します。
⇒形状データさえあれば、流れ解析はごく簡単!
を実感していただければ、と思います。

なお、ここでの作業は、[[DEXCS-OpenFOAM:]](DEXCSを ubuntu 7.10 on VMware に移植したシステムをベースに、OpenFOAMの最新版(1.4.1)をインストールし、DEXCSから起動できるようにしたシステム)上で実施していることをお断りしておきます。

プログラムとテストケースの入手

–記事のURL http://openfoam.cfd-online.com/forum/messages/1/175.html を指定して、直接ダウンロードしても構いませんが、ここでは、OpenFOAM, autoRefineMesh といったキーワード検索で、元記事を探す方法で入手しています。

プログラムのインストールとテストケースの動作確認

    プログラムのインストールは、所定の場所にコマンド・ライン入力で。。。と、ちょっと面倒かもしれません。
    テストケースは、コマンド1発で、あれよあれよ。。。何をやってるんだかさっぱり?かもしれませんが、最後には可視化がなって、なんとなくやってくれていることがわかるようになるでしょう。

車両モデルの入手とSTL化

    Models 3D AutoMobiles http://dmi.chez-alice.fr/models0.html というサイトがあって、ここには自動車のポリゴンモデルで見栄えも素晴らしいものがたいへん豊富にあります。ここから入手したモデルを使っています。これまでSTL化した時に表面の不具合がたくさんあって、CAEに使うにはちょっと無理かと諦めていたものです。

仮想風洞テストの実行

    自動メッシュ分割で、10~20万程度の節点数の問題になりましたが、ほんの数分で解析(simpleFoam:非圧縮性定常流れ解析)が終了しました。

注意事項

    vwtTest4には、デフォルトで動くcube.stl以外に、サンプルのSTLデータが2つ(car-1.stl, car-3.stl)付属しています。しかし、ubuntsu上のOpenFOAMでこれらを指定して使うと、何故か、メッシュ自動作成の途中の段階で止まってしまいます。対症療法として、car-1.stlでは、モデルの位置を上下方向にずらす。car-3.stlでは、モデル全体のサイズを変更(例:0.9倍)する、といったことで、動作することは確認できてますが。。。ちなみに、ubuntuでない、Cent-OSCent-OS(確認できたのは64bit版)ではそのままでも動作しました。~
    STLが不完全であっても大丈夫!とありましたが、もちろん程度問題です。不具合が多すぎると、何らかのエラーが表示されて停止することになると思います、エラーが表示されないで、メッシュ数も数百万を超えないレベルで、自動メッシュ作成の結果がいつまでたっても出ないようであれば、上に述べた対症療法にてトライしてみてください。
    autoRefineMesh は自動メッシュ分割してくれますが、メッシュそのものは矩形状をベースとした境界非適合メッシュです。曲面は階段状のギザギザで表現されることになります。物体近傍は詳細にメッシュ分割してくれても、境界層流れや、物体後流部分での分割が充分と言えない面があるなど、特に計算精度面での不安のある点は留意して使う必要はあります。
    [[DEXCS-OpenFOAM:]](DEXCSを ubuntu 7.10 on VMware に移植したシステムをベースに、OpenFOAMの最新版(1.4.1)をインストールし、DEXCSから起動できるようにしたシステム)ですが、ひょっとして、blenderで、LightWave形式データをインポートしようとして、エラーになるかもしれません。その場合は、
 sudo chmod +x /usr/lib/blender/scripts/bpymodules
 sudo chmod +x /usr/lib/blender/scripts/bpydata

として下さい。

今後

    仮想風洞と、対象物体をblender上に同時表示。別々に所定の名前でエクスポートすれば使えるようにする。
    仮想風洞の条件(風速、壁の条件)をDEXCSメニューで指定できるようにする。
    メッシュサイズの指定をDEXCSメニューで指定できるようにする。
    物体力(抗力や揚力)を計算できるようにする。
    自動メッシュを流れ場の解に適合させるツール(どこかにあった?)とドッキングする。といったことが考えられますが、さていつになるやら?また、どなたか作ってくれないでしょうかね?
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