回転円筒容器内の水面挙動に関し、MRFInterFOAMを使った層流計算の結果を以前に報告しましたが、今回は乱流モデルを入れたらどうなったかについて報告します。
ご覧のように、前回の結果に比べて、かなりそれらしい結果になってくれるようになりました。
ちなみに、回転速度を変化させた場合の中央断面図を以下に示しますが、回転角速度(Ω)が大きくなるにしたがって、水位の上昇も大きくなっていることが読み取れます。
但し、この値が定量的に理論値通りになっているかというと、そうではなく、かなり小さな値になっている点と、表面に定在波ができて、その回転方向が容器の回転とは逆方向になっている点など、本当にそうなるのかな? と思われる疑問点もありますが、メッシュやスキームを変えたらどうなるかなど、つきつめようとすると大きな検証課題になりそうで、ここでは、ひとまず打ち止めとしておきます。
興味のある方は、今回もケースファイル(rotatingCylinderRAS)を公開しておきますので、自由に改変して調べてみてやって下さい。
もっと色んなケースやパラメタ変更した計算をしたいなどのご要望があれば、こちらで請負計算なり、お客さんが自分で簡単にやれるようにランチャーをカスタマイズするなり、有料コンサルとして対応させていただきます。
ケースファイルの変更概要
前回の層流計算用のケースファイル(rotatingCylinder)に対する変化点を赤枠で示しておきます。両者を見比べれていただければ違いは説明するまでないと思いますので、ここでは省略します。
計算時間
前回と同じように、容器中の定点にて、速度や圧力をモニターして準定常状態になるまで計算を続行しました。下の図はΩ=21.0の場合の履歴です。前回は、Ω=5.25にて約400secまで計算を続行しましたが、本例では回転角速度が4倍になったので、現象の計算時間を1/4としました。総回転数を合わせたことになりますが、本例ではもう少し短い時間で十分だったかもしれません。
ちなみに、本例での計算時間は、単体で約4時間でした(計算環境は前回に同じ)。