snap/Firefoxというのは、WebブラウザであるFirefoxをsnapパッケージとしてインストールしたもののことであるが、これをリリースするに至った背景についてここに記しておく。
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DEXCSにおけるFireFoxの役割
DEXCSではこれまでFirefoxを同梱ドキュメント類のブラウザとして使ってきた。具体的には、デスクトップ上、DEXCSフォルダ中の、readme.htmlをダブルクリックするとFirefoxが立ち上がり以下の状態となって、
各項目(「まずは使ってみる」など)をクリックすれば、同梱のpdf資料を、これもFirefoxを使って閲覧できるようになっている。
snapパッケージとは
ubuntuではソフトウェアのパッケージ管理システムとして、伝統的にaptコマンドを使ってインストールやアンインストールするdebパッケージが使われてきたが、近年になってsnapというパッケージ管理システムが台頭してきている。
Firefoxにおいてもubuntuのデスクトップ版には標準的にインストール済で配布されるパッケージであるが、ubuntu-22.04(DEXCS2022)以降、snap版が標準でインストールされるようになっている。
DEXCSにおけるsnap版Firefox対応の経緯
DEXCS2022の開発段階において、Firefoxがsnap版に変わると、同梱ドキュメント類のブラウジングができなくなってしまうという問題が判明した。何故そうなってしまうのか?当時としては情報も少なく、かろうじてsnap版を削除して従来のdebパッケージ版に変更すれば従来通りに使えるという情報を得て、DEXCS2022、DEXCS2023ではこの方法で対処してきた。
DEXCS2024においても当初はこの方法でリリースした。しかるにubuntuのカーネルがアップデートされると、仮想マシンが立ち上がるという不具合が生じた。DEXCS2024ではOSがメジャーバージョンアップしており、isoイメージの作成ツールであるCubicにおいてsnapパッケージの変更は出来ないという情報も、この時点で新たに得られていたので、debパッケージに変更したのがカーネルアップデート不具合の原因でないかと考えられた。
そこで改めてsnap版で同梱資料が読めなくなった原因を調べ直した。2年前は情報も少なかったが、新たに理由が判明した。ドキュメント類が/opt/以下に収納されていたことが原因で、/home/以下に収納し直せば、snap版Firefoxでもブラウジングが可能であることがわかったので、ubuntu標準のsnap版をそのままで、ドキュメント類の配置を変更すれば良いとなった。
但し、そうすることによってカーネルアップデートの不具合も解消できれば良かったのであるが、残念ながらそうはならなかった。これも改めて調べ直したら、カーネルアップデートのプロセスが不完全なまま中断しているのが原因であった。何故中断するのか、その原因はいまだ不明であるが対処方法はわかったので、カーネルアップデートの方法として公開した。
当初の見込みでは、snap版Firefoxにてカーネルアップデート不具合の解消を確認できたら、snap/Firrefox版としてリリースする予定であった。しかるに上述の見込み違いがあった為、これをリリースする意味がなくなってしまった。
今後
とはいうもの、すでにドキュメント類の再配置は完了しており、これを元に戻したところで何の意味もない。DEXCS2025以降においても、snap版Firefoxがそのまま使えるのであれば、余分な手間をかけないで済むので、今後はこの方式でやっていくことになろう。
今回のリリースについて
また、DEXCS2024もリリースしてから約2ヶ月経って、主要コンポーネントにバージョンアップがあり、取り分けFreeCADもようやく ver 1.0 になった。これを機会に、これはこれでリリースする意味があると考え、公開した次第である。
2024/10に公開した正式(?)版との違いは以下の通り。
- Firefoxがdeb版からsnap版に戻った
- 上記に伴いドキュメント類の収納箇所が/opt/DEXCS/doc から、$HOME/Desktop/DEXCS/doc に変更された
- ドキュメントの一部(8_aboutDexcsPlus2024.pdf, 13_DEXCS2024_CfdOF.pdf)が修正された
- FreeCAD更新 1.0.0
- TreeFoam更新 3.26.241007
- Kernel更新 6.8.0-50