先日のFeeCADで作成したピストンをSalome-Mecaを使って構造解析してみました。
普通に解析をすると、多分こうなる
- 上面に圧力をかけて、クランクシャフトピンが通る穴の部分を完全拘束
- しかし、何かがおかしい・・・
CAELinuxのチュートリアル問題
- 実は、知る人ぞ知るCAELinuxには同じようなピストンの例題が付属しており、チュートリアルも公開されている・
- 実際に自分でもやってみたらこうなった(↓)
- この結果なら、まぁ。こんなもんか・・・という感じ。
- 線形解析なので圧力の大きさや変形量の絶対値は気にしなくてよく、相対的な見方をすれば良いんだが、明らかにピストン上面の変形傾向が一致していない。
- 解析の境界条件の与え方として、こちらはピンシャフト穴の上半面だけを拘束しており、FreeCADで作成したものはシャフト穴全体を拘束しているという違いはあった。
- 実は、FreeCADのチュートリアルに則って形状を作ると、穴の内面全体という形でしか境界条件を作成できなかったから・・・という都合もあったんですがね。
FreeCADのモデルを作りなおしてみた
- シャフト穴部分を回転押し出してドーナツ状にするのに、ドーナツの半面だけ作って、残りの部分はミラーコピーするということをしておけば、境界条件作成の場合、別々に選択できるようになるわけです。
- これをFreeCADの上でどうやって実現するかについては、かなりあれこれ試行錯誤必要だったんですがね・・・
- しかし結果はほとんど変化なしでした。シャフト穴下部の変形量がわずかに増大しており、境界条件の違いはそれなりに反映は出来たんですけどね。
どうも形状のどこかが根本的に違っているようだ
ということで再度作り直し
- 断面の調べ方やら、モデルの動かし方など、だんだん慣れてきて、多分、ここを直してやればいいんだろう・・・となったものの、FreeCADのモデルを手直しする方法も、さんざん苦労しました。
- まぁ、これなら、定性的に同じ変形モードとみなしても良さそう・・・というところまではなりました。
形状の何が違っていたのか?
- まぁ、答えはここに書かないでおきます。
- 興味のある人は、モデルをダウンロードできるようにしておいたので、違いを見比べてみて下さい。
pistonチュートリアルで判ったこと
- このチュートリアルの基本は、2次元平面上にスケッチを描いて、それをベースに単純押し出ししたり、回転したりして3次元形状を作成する方法
- スケッチの基準平面をどこにとるかによって、作図がやり易くなるという面があり、公開されているチュートリアルは、そういう観点でのスケッチが多用されている。
- しかし、そうやって作成したパーツモデルは、ベース形状と一体化されてしまうので、パーツ部分だけを動かす(パーツ部分の基準位置を変更する)ことができなくなってしまう。
- なので、後で動かす可能性のあるパーツは、他の形状とは独立な基準平面上でパーツを作成する必要があったんだということ。
と、まぁ、ここ2~3日、FreeCADとSalome-Mecaをあれこれ使い回しして、特にFreeCADの操作にはかなり習熟できたんではないかと思います。
オープンCAEコンサルタントの開業準備として、FreeCADの練習中・・・ということで。